当時、葬儀件数自体は順調でした。
日々の業務が滞っているわけでもありません。
それでも、
経営者の頭の中には、
拭いきれない不安がありました。
「この先、
葬儀の小規模化がさらに進んだとき、
今の売上を本当に維持できるのだろうか」
何か手を打つべきだとは感じている。
ただ、
「何をすればいいのかが分からない」
それが正直な状態でした。
現場の声を集めるところから始めました
いきなり新しい事業を決めるのではなく、
まず行ったのは、
経営者や社員の声を丁寧に聞くことでした。
話を重ねる中で、
いくつかの“変化の兆し”が見えてきました。
- 最近、樹木葬に関する問い合わせが増えている
- 付き合いのあるお寺から、
「檀家数が減っていて、この先が不安だ」
という相談を受けている- 年々、家族葬の比率が高まっている
どれも単独で見れば、
よくある話かもしれません。
しかし、
これらを一つの流れとして捉えたとき、
ある可能性が見えてきました。
「自社の課題」と「お寺の課題」を重ねて考える
葬儀社としての課題は、
将来の売上構造への不安。
一方で、
お寺は檀家数の減少という
別の課題を抱えていました。
「どちらか一方を助ける」のではなく、
両方の課題を同時に解決できる方法はないか。
そうして辿り着いたのが、
樹木葬の開発・販売という選択でした。
新しいことではありますが、
突飛なアイデアではありません。
現場の声と、
すでに起きている変化を
丁寧につなぎ合わせた結果でした。
小さな一歩が、想像以上のスピードで進み始めた
まず相談したのは、
以前からイベントなどで関わりのあった
お寺の住職でした。
樹木葬の構想を伝えると、
返ってきた言葉は意外なものでした。
「実は、私も同じことを考えていました」
そこから話は一気に進み、
準備を重ねてオープンを迎えることになります。
数字よりも先に、手応えを感じた瞬間
オープン見学会は初日から反応があり、
二日目には樹木葬の建設費を回収。
その後も、
- 2ヶ寺目
- 3ヶ寺目
と提携するお寺が順調に増えていきました。
中には、
すでに3期目の販売に入ったお寺もあります。
「次の事業」として育てていくフェーズへ
いま、この取り組みは、
単なる新サービスではなく、
「葬儀の次を支える事業」として
育てていく段階に入っています。
最初は、
将来への漠然とした不安から始まりました。
しかし、
現場の声に耳を傾け、
一緒に考え、
一歩ずつ形にしていったことで、
新しい道が見えてきました。
この事業も、
完成形ではありません。
これからも状況に合わせて、
手を入れ、育てていくつもりです。
この取り組みは、
特別なノウハウがあったから
生まれたものではありません。
現場の違和感を起点に、
一緒に考え、
一緒に形にしてきた結果です。
上信越エリア
売上規模 3.0〜4.0億円 樹木葬売上 約4千万円 提携寺院3ヶ寺
営業収益2,400万円アップに貢献





