変化を感じていたが、決断には至らなかった
家族葬を希望されるお客様は、
年々、確実に増えていました。
「他社に先駆けて、
家族葬に特化した施設を出したい」
そんな想いは、
経営者の中にずっとありました。
ただ一方で、
出店に踏み切れない理由もはっきりしていました。
候補地が、見つからなかったのです。
条件を整理すると、選択肢がどんどん狭まっていった
改めて話を聞いていくと、
施設に対するイメージは明確でした。
- 今の営業エリアからは出ない
- 土地コストはできるだけ抑えたい
- 1日1組の貸切型
- 家族がゆっくり過ごせる空間
- リビングのような葬送空間
その分、
条件に合う土地はなかなか見つからず、
気づけば1年以上が経っていました。
それでも「外」に答えを探し続けていた
「もう少し探せば、
どこかに良い土地があるはず」
そう考えながら、
さらに1年、候補地探しは続きました。
しかし状況は変わらず、
出店計画は前に進まないまま。
このタイミングで、
視点を一度、整理し直すことにしました。
視点を変えると、答えは「すでに持っていた」
改めて現状を見直してみると、
あることに気づきました。
「自社ホールの駐車場、
以前ほど大きな葬儀では使っていない」
もし、このスペースを活用できれば──。
- 土地代はかからない
- 事務所も新設する必要がない
- スタッフの動線も効率的
- 将来の拡張や見直しもしやすい
「外に探す」のをやめたことで、
答えはすぐそばにあることが分かりました。
あえて「20名規模」という選択
建設費と将来性を考え、
参列者数は20名規模に設定しました。
この判断には、
正直、迷いもありました。
「地方では、
さすがに小さすぎるのではないか」
そんな声があったのも事実です。
それでも、
「これからの家族葬」に本当に合う形を
信じて進むことにしました。
オープン後、届いたのは想像と違う声だった
施設をオープンしてみると、
心配していた声はほとんどありませんでした。
代わりに多く届いたのは、
「この大きさを、待っていました」
「うちの家族に、ちょうどいい」
という言葉でした。
コロナ以降、
少人数で静かに見送る葬儀が増える中で、
20名規模・1日1組という設計が
ぴったりはまったのです。
利用数も、
想定以上に順調に推移しています。
「正解を探す」より「合う形をつくる」
今回の取り組みで実感したのは、
「正解の土地」を探すよりも、
「自社に合う形」を一緒につくることの大切さでした。
外に答えを求めていたときには見えなかった選択肢が、
視点を変えたことで、自然と見えてきました。
この家族葬施設は、
これからの時代に合わせて、
さらに育てていく拠点になりそうです。
この施設は、
流行を追ってつくったものではありません。
現場の声と将来の変化を見据えながら、
一緒に考え、
一緒に決断してきた結果です。
上信越エリア
売上規模 2.0億円〜3.0億円 社員数9名
家族葬比率63% 一般葬単価200万円(7年前は150万円)
コロナ前に家族葬施設を建設し、コロナ禍に最高利益(15%以上)





